C型肝炎ウイルスを持っている方が国内に未だ100万人以上がいると推定されています。自覚症状が無い方がほとんどです。ウイルスを持っていても肝障害が無い方もいます。一生に一度はウイルス検査を受けることがすすめられています。
台東区民健診(無料)でも受けられます。ご相談下さい。
内視鏡検査や手術(白内障手術など)の前にはC型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルスの検査を行うことが多いので、担当医に検査結果を確認して下さい。担当医が結果をきちんと文書(たとえ検査結果に異常がなくとも)で説明することが必要とされています。
マヴィレット(アッビー合同会社)はC型肝炎ウイルスのほとんどの遺伝子型に有効な内服薬です。「オールマイティ」と呼べる薬です。ウイルス排除率は95%以上です。最短8週間〜12週間で治療が終了します。慢性肝炎と代償性肝硬変が対象です。医療費控除を受けられます。
ハーボニーの治療を開始しました。三井記念病院の外来で数例、谷口内科で数例処方し、合計10例以上に処方しました。
副作用は本当にありません。評判通りウイルスも速やかに血液中から検出されなくなっています。ウイルス除去は今のところ100%で達成できています。12週間の処方(3回の外来処方)というのも魅力的です。高額の薬ですが、医療費助成を受けて月額負担1万円(一部の方は2万円)で治療を受けています。
先日、三井記念病院消化器内科 田川一海先生の講演を拝聴しました。
ハーボニーを150例近くに処方し、効果判定ができた99例中98例がウイルス排除に成功とのことです。副作用は15%の患者に見られ、皮膚掻痒感、口内炎、頭痛、尿酸上昇など、軽度のものとのことでした。
2015年11月にアッビィ合同会社からヴィキラックスが発売されました。遺伝子型1型の慢性肝炎、代償性肝硬変が対象です。内服期間は12週間です。治験のデータでは95%程度が治癒します。治療前の薬が効きやすいかどうかを調べてから治療をすることが勧められています。薬との飲み合わせに注意が必要です。高血圧治療薬の中には、本剤との併用で浮腫がでるものもあります。詳しい資料を準備しています。ご相談下さい。
東京都肝炎ウイルス治療費助成制度が適用されます。
2015年9月1日、レジパスビル/ソフォスブビル配合錠(商品名 ハーボニー)がギリアド•サイエンシズ社から発売されました。1日1錠、12週間内服します。インターフェロン注射は行いません。C型肝炎1型の慢性肝炎、代償期肝硬変が対象です。
治験時のデータでは、12週間の内服で、ほぼ100%の治癒と報告されています。
副作用は軽微で、風邪症状、胃腸症状、皮膚症状などでした。通院治療で行えます。海外では2014年秋に発売され、広く使われています。パンフレットを準備しています。お気軽にお問い合わせください。
1錠80,000円強のため、国の治療費助成制度を利用するのが一般的です。この場合、保健所に申請書類と肝臓専門医の診断書が必要です。高齢者で1ヶ月の医療費負担が多くない方は通常の保険診療でも可能です。当院で診断書の作成ができます。診断書用の採血検査が必要です。
2015年3月、ソフォスブビル内服薬(商品名 ソバルディ ギリアド•サイエンシズ社)が遺伝子型2型の慢性肝炎、軽症肝硬変患者さんに対して、製造承認を得ました。5月末に発売となりました。
ソバルディとコペガス(一般名 リバビリン中外製薬)の内服だけの12週間治療で、96%(140人中135人)がウイルス駆除に成功しました。74歳までの患者さんが対象でした。副作用は風邪症状、貧血など、軽度のものでした。
国の治療費助成制度を受ける事もできます。詳細な資料を準備しています。
リバビリンは、レベトール(MSD社)も使用可能となりました。
1989年に発見されたC型肝炎ウイルスですが、30年弱の年月で激減することになりそうです。これでC型肝炎ウイルスによる肝硬変や肝癌も激減することが期待されています。
2014年10月から、インターフェロン注射を使用しない内服薬だけの治療を開始しました。数例の経験ですが、全例内服開始1ヶ月でC型肝炎ウイルスが血液中で検出できない状態になりました。GOT(AST),GPT(ALT)も速やかに正常化しています。
その後、軽度GOT,GPTが上昇しましたが、安全に自覚症状なく、治療を継続しています。
インターフェロン治療でみられた発熱、インフルエンザ様症状、脱毛、うつ、食欲低下などの副作用はは全くありません。以前、インターフェロン治療を48週間受けた患者さんは、この治療は本当に薬を「治療」をしているのか分からない程である、と話してくださいました。
副作用に関しては、発熱、肝障害、風邪症状、むくみなどの報告がありますが、重篤な副作用の報告や死亡例はありません。
肝障害がある程度以上では治療を中止しますが、それでも治癒している例が多数あります。
この薬剤は診療所でも安心して処方できる薬だと考えています。当院では治療開始後当面は、毎週診察、採血検査を行い、副作用の早期発見に努めています。薬の効きが早く分かるので、患者さんも喜んで頂いています。
2014年9月3日に発売されたスンベプラ、ダクルインザが、遺伝子型1型の慢性肝炎、軽症肝硬変にも処方可能になりました。インターフェロン治療を受けたことがない初回治療の方も対象になりました。